オーロラと大気光
これまで観測が難しかった超高層大気ですが、最新の高感度のカメラを使って観測する事が出来るようになってきました。下の写真は国際宇宙ステーションから撮影されたオーロラと大気光の画像です。
右側に見える帯状の発光がオーロラで、中央付近の地球のふちにそって見える光の層が大気光です。オーロラに比べて大気光の光は弱く人の目ではほとんど見えませんが、オーロラとは違い、高緯度域だけではなく地球のほぼどの地域でも発光しています。
大気光の高感度撮影
このような大気光は、通常の撮影では下の写真のように地球のふちでしか見えませんが、ISS-IMAP/VISIの高感度な撮影では、下の写真の雲やオーロラのように2次元的な構造を撮影することができます。気象衛星の雲の2次元画像で対流圏で起こっている台風などの現象の様子が分かるように、大気光の2次元画像を撮像することで、地球の超高層大気で起こっている現象が明らかにできます。
共鳴散乱光
また、下の写真では大気光の上は暗い闇が広がっているだけですが、この領域でもイオンが微弱な共鳴散乱光を出していて、ISS-IMAP/EUVIはその極端紫外光という人の目では見えない短い波長の光を捉えることができます。
ISS-IMAPは、高度80kmから高度20,000kmの間で発光している微弱な光を測定する事で、地球大気と宇宙空間のはざまで起こっている 様々な現象を捉えます。
[Image Science and Analysis Laboratory, NASA-Johnson Space Center. "The Gateway to Astronaut Photography of Earth." http://eol.jsc.nasa.gov/ : ISS029-E-6093]